コタツ記事と生成AI狂騒曲

 生成AIで情報汚染された記事の登場で、マス四媒体由来のデジタル広告費が2023年に前年比横ばいor下降に転じた可能性があるそうだ。右肩上がりのインターネット広告費市場を横目に、一体何が起きているのか。

 詳しくは下記引用記事をご覧いただくとして、個人的に営業の迷惑電話でパッと思い浮かんだことがあった。弊社のお客様用お問い合わせ専用番号に掛かってくる迷惑電話で圧倒的に多いのが、ネット広告やweb集客に関する営業電話である。

 過去一番の衝撃的営業だったのは(笑)、webサイト、とりわけブログ記事を士業(私)名義で、実際は生成AIが私の過去の執筆記事を全文学習して勝手に新たな記事を量産し、毎日自動アップロードする。これにより、士業は何もしなくてもただ椅子に座って待っているだけでお問い合わせが増える、などという謳い文句だ。

 まず、行政書士の名義を行政書士でない者に使用させ大量の記事を量産することは、行政書士法の名義貸しや非行行為(非行政書士行為)のほう助(共犯)に当たりえる。また、行政書士職務基本規則の不当誘致行為禁止条項に抵触する可能性がある。私は即断即決・問答無用でお断りしたが、とんでもないビジネスを思いつく輩がいるものである。広告会社には、「私の執筆した記事を生成AIに学習させることは一切許諾できないし認めない。貴社が勝手に一部でも編集して無断引用すれば著作権侵害にあたる。」と警告した。

 それよりもショックを覚えたのは、随分と私の執筆する原稿が安く値踏みされたということだ。本件は、法令違反まがいの提案を受けた、要は広告会社に不肖ながら知財を標榜する行政書士が著作権絡みで舐められたという点もあるが、「お前の原稿は生成AIで代替できる程度の言わば“コタツ記事“である」、と言われたようなものである。私にとってはそっちの方が著作者として遥かに腹立たしく、許しがたいものだった。

 みなさまご承知の通り、弊社号外かわら版の記事や、弊社HP等の文面は、一切生成AIを活用せずに、完全生身の人間・弊社代表小池が執筆しているものである。号外かわら版の映像コンテンツ原稿では音声認識による文字起こし機能を活用しているが、あくまで私の喋り言葉を音声認識で文字起こしさせているにすぎない。テキスト文面を生み出す生成AIとは根本的に異なるものである。

 私の原稿は私の実体験に基づくものは必ず取材源があって執筆している。また、引用元が新聞社や放送局の情報であっても、そのニュース中にある一次情報を必ず他のしかるべき媒体・チャンネル(原則は行政庁公式サイト。府省令・政令、新聞社・放送局の取材記事)で複数裏取り・ダブルチェックし、その背景等を含め私なりに解釈して執筆している。弊社号外かわら版は「半歩先行く」を売りにしているが、原稿の時間軸は近未来の社会の姿のアウトラインを示す観点で基本的にはすべて執筆しているものだ。

 生成AIについてはこれまで号外かわら版で何度も取り上げている。現状の生成AIは情報汚染がひどく、責任が伴う士業の専門業務で使用できるレベルにはいまだ到底到達していない。そのような低レベルなコタツ記事と一緒にされてはたまったものではない。

引用元 コタツ記事は生成AIに滅ぼされ、生成AIにより量産されるだろう【調査情報デジタル】 | TBS NEWS DIG (1ページ)

https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/1184886

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