ヒト移植用遺伝子改変クローン子豚誕生に思ふ

 明治大発ベンチャーのポル・メド・テック社が、国内初のヒト移植用遺伝子改変クローン子豚を誕生させました。

 クローン技術を使った子豚で、まだまだ検証等の研究はこれからと思います。しかし、移植医療を受けるしか生存の望みがない疾患を抱えた多くの人たちにとっては、藁をもすがる思いでこのニュースをご覧になられたことと思います。

 これは、移植医療の選択肢を広げるものです。iPS細胞で自分の臓器を再生して移植する方法に続いて、今回のクローン子豚の臓器をヒトに移植する可能性に道を開くものです。私は研究はタブーなくどんどんやっていただきたいし、大いに歓迎したいと思います。

 ポル社のような、方ぼうからの批判や雑音をいとわず挑戦するベンチャーが国内にいることをとても嬉しく思います。

 しかし、今回は移植医療向けの、ということですが、特定疾患に指定されている神経難病ともなると、当然のことながら患部を移植すれば治るというワケにもいかないです。

 みなさまご承知の通り、ヒトにはまだまだ病態が未解明な進行性の疾患がヤマほどあります。医療従事者は特にですが、単に治療法のない難病ということで診断するのが自分の仕事だと思っていては永遠に2流どまりです。普段基礎研究に従事していない関係者であっても日夜新たな知見の発表がないか世界中の論文の動向をウォッチする闘志は最低限必要だろうと思います。

 真の医療とは、この世から難病を難病でなくすること、難病の治療法を開発することであるはずです。たゆまぬ労をねぎらうとともに、難病の数を減らす、不断の研究を引き続き望みたいと思います。

引用元:人間移植用の臓器持つブタ、国内初誕生 遺伝子改変、25年臨床研究 | 毎日新聞https://mainichi.jp/articles/20240212/k00/00m/040/075000c

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