神経難病の米下院議員、AI作成の自らの声で演説

 神経難病を患う米下院ジェニファー・ウェクストン議員が、下院の議場で初めてAI作成の自らの声を活用して演説したという。

 おそらく、演説原稿の内容は本人が考え、AIに自分の過去の演説等の音声データを周波数解析させ、喋り方の特長を学習させて、AIで自分の合成音声を作り、原稿の通りに発声させるというものだろう。

 このようなAIの活用方法は画期的なことで大変素晴らしい。ぜひ日本でも社会の中で理解が進み、活用のシーンが増えるといいと思う。AIというと十把一絡げに生成AIと区別がついていない人がいるが、演説原稿を本人が考えているなら生成AIとはまったく異なるものである。

 神経難病で発声が困難なハンディキャップを抱えた人でも優秀な人材は大勢いる。そのような人でも議員活動を全うできるように、声を失った人にはその機能をAIが補助的に代替できるような時代が現実に到来した。

 これは本当に素晴らしいことである。私たちはある日突然、不慮の事故に遭ったり、病気の発見が遅れて声を失うといったことがある。

 これまでは、CPUで音声合成しようとすれば、本人が元気なうちに、事前に非常に多くの例文に基づく声紋サンプルを録取しておく必要があった。AIの登場で、機械学習が可能になり、声紋サンプルを録取していなかった場合でも、合成音声を作ることが容易になった。

 人が故人を偲ぶとき、このAIによる合成音声は、記憶を鮮明に蘇らせる可能性を秘めたものである。ふと、亡くなった父を思い出し、無性に声を聞いてみたくなっている自分が今、ここにいる。

引用元 CNN:闘病の米下院議員、AI作成の自らの声使い演説 議場で初事例
https://www.cnn.co.jp/usa/35222056.html

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