HPトップ写真(岐阜県羽島市)のご紹介

 HPのトップ写真を更新しました。ここでは、補助金申請のスライドで使用している背景写真の補足説明をさせていただきます。

 この写真は、木曽川を渡航する岐阜県道118号線の中野の渡しに乗船して撮影した写真です。木曽川の現場付近の川幅は約800m(付近の東海道新幹線木曽川橋梁の橋長は995m!)あり、対岸の堤防がかすんで見えるほど広大で全国有数の巨大河川と言われています。

 その昔、江戸時代には木曽川には多くの渡し舟が往来していましたが、日本の高度経済成長とモータリゼーションの進展とともに次々と姿を消していきました。

 中野の渡しは現存するものでは木曽川を渡る唯一の渡し舟で、しかもエンジン汽船です(第五中野丸)。岐阜県道118号線として無料道路として供用されており、全国的にも数少ない渡船道路で非常に珍しい存在になっています。岐阜県側の渡船場が岐阜県羽島市内の弊社と同じ小学校区内にあり、下中町石田の猿尾付近にあります。猿尾の仕組み(流路抵抗を増大させて暴れ川の流速を強制的に減速させる江戸時代に考案された方法)も物理的に面白いので興味がある方は調べてみてください。特許発明のレベルでは流体の流速減速法でよく見られる古典的方法ですが、治水インフラの技術として江戸時代にこの巨大スケールでこの地に社会実装するのはなかなかスゴいと思います。

 中野の渡しは私も通った地元の小学校では現在も毎年、3年生に当たる児童が郷土の歴史を体感する授業で乗船しにきているそうです。私も小学生の時に乗りました。それ以来の乗船でドキドキです(撮影日は令6.8.18)。まだ運航していたかと少し嬉しくなりました。

 乗り場へは、草木が生い茂り、県道とは思えない細い未舗装路を進んだ先にあります。

 岐阜県側から乗船を希望する場合は、船長さんや甲板員の方々の待機小屋と船の係留場が対岸にあり、アナログな方法で旗を揚げて待ちます(船長さんが小屋から見ているそうですが、気付かない場合もあるので、なかなか来ない場合は案内看板に記載のある待機小屋の電話番号に電話してあげてください)。

 新濃尾大橋(仮称)が建設中で、この橋が供用開始になれば、弊社からは愛知県の一宮駅(一宮市は人口40万都市)までクルマで下道20分、名古屋駅(名古屋市は人口200万都市)へも下道1時間で行けるようになります。ちなみに、東海道新幹線岐阜羽島駅(羽島市は人口6万都市)へはクルマで10分、JR岐阜駅までは40分、岐阜大学までは1時間かかります。岐阜羽島駅から東京駅(東京の人口1400万都市)まではひかり号直通(名古屋乗り換えなし)で2時間のアクセスです。織田信長が岐阜城の城主となったときのように、濃州と尾州の距離が圧倒的に近くなることは素直に嬉しいことです。

 復路で甲板員の方と色々お話させていただきましたが、この中野の渡し。現在も1日あたり平均10人程度の利用があるそうです。新濃尾大橋(仮称)が供用開始となった後も、運航形態が毎日なのか、季節限定となるのかは分かりませんが、存続するという話もあると、力強く静かに、こっそり教えてくださいました。

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